HOW TO
[ 2014.06.09 ]

クラウドファンディングでガジェット開発費を調達する際の効果的な4つのギフト設計


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ガジェット関連の開発資金調達をクラウドファンディングで行なう場合、プロジェクトにとって製品の面白さ・斬新さが最大の魅力です。革命的な製品であればあるほど話題にもなりやすく、多くの支援者を集めることができます。

これらのプロジェクトは大抵、多額の支援を募らなければいけません。当然ギフト設定には工夫を凝らします。

今回はアメリカの大手クラウドファンディングサイト「Kickstarter」を参考に、成功ギフト事例を見てみましょう。ガジェット開発プロジェクトをお考えのみなさま、ぜひ参考にしてみてください。

 

指輪型のウェラブルデバイス「Ring」

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Ring : Shortcut Everything.
調達金額:$880,998(約9,000万円)Kickstater
https://www.kickstarter.com/projects/1761670738/ring-shortcut-everything

製品を指にはめると、空中で指先を動かして電子機器を操作する事ができるという「Ring」。部屋のライトを消す、テレビをつける、スマートフォンで支払いをする、メールを書くなど、日常の小さな動きを指先で済ませられるというから驚きです。

■ギフト(*1)

・[$145] 最も早く格安で製品が手に入る。(数量限定)
・[$165] 2番目に早く少し安くで製品が手に入る。(数量限定)
・[$185] 製品が手に入る。
・[$2,500] RingのSDK(ソフトウェア開発キット)が手に入る。
・[$10,000] パートナーとしてオフィスに招待し、ビジネス展開やアプリケーション開発の意見交換。

* KickStarterではPledge(約束)と表記されています。

ポイント

数量を限定し、先に支援した人ほど、より早く、より安く、手に入れることが出来るギフト設定となっています。とにかく「欲しい!」と支援者に思わせることに重点していますね。目標金額は25万ドルだったにも関わらず、最終的には88万ドルまで支援が集まりました。

 

空中に絵が描ける3Dペン「3Doodler」

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3Doodler: The World’s First 3D Printing Pent
調達金額:$2,344,134(約2億4,000万円)Kickstater
https://www.kickstarter.com/projects/1351910088/3doodler-the-worlds-first-3d-printing-pen

紙や物体ではなく、空気中に描くことが出来るペン「3Doodler」。これを使って立体的な創作物や、アクセサリーなどをつくることが出来ます。

■ギフト

・[$75] 最も早く製品が手に入る。(数量限定)
・[$75] 2番目に早く製品が手に入る。(数量限定)
・[$75] 製品が手に入る。(数量限定)
・[$1,000] テスト品を試用し、フィードバックができる。
・[$10,000] WobbleWorks(プロジェクト立案者)のメーリングリストに加入し、将来全ての製品に関わる事ができる。会社へも招待。

ポイント

こちらも同様に数量を限定し、先に支援した人ほど、より早く、手に入れることが出来るギフト設定となっています。テクノロジーを駆使した製品にも関わらず、75ドルという安価なところも評価されたのでしょう。目標金額は3万ドルでしたが、なんと234万ドルも支援が集まりました。

 

手頃な本格的3Dプリンター「FORM 1」

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FORM 1: An affordable, professional 3D printer
調達金額:$2,945,885(約3億円)Kickstater
https://www.kickstarter.com/projects/formlabs/form-1-an-affordable-professional-3d-printer

今話題の3Dプリンターですが、なんとこのプロジェクトが成功しているのは2012年10月のこと。当時のユーザーにとって、とても衝撃的な製品だったことが伺えます。しかも比較的小さく低価格であり、「試してみたい」というガジェット好きにはたまらないプロジェクトだったようです。

 

■ギフト

・[$29] Formlabs(プロジェクト立案者)のチームTシャツ
・[$2,299] 最も早く、格安で製品が手に入る。(数量限定)
・[$2,699] 2番目に早く製品が手に入る。(数量限定)
・[$8,000] 製品が手に入り、Formlabsでレッスンが受講できる。
・[$10,000] 製品が手に入り、ローンチパーティーと、開発チームとの食事へ招かれる。

ポイント

こちらも数量を限定し、先に支援した人ほど、より安く、手に入れることが出来るギフト設定となっています。注目したいのは、30ドル程度のギフトの次に高額なものは、2300ドル(日本円にして約23万円)となっていること。「試してみたい」とは言えど、決して安い買い物ではありません。しかしながらギフトはほぼ完売し、目標金額10万ドルから、最終的には294万ドルもの資金調達に成功しています。製品に自信があるからこそ設定できた、強気のギフト例です。

 

スマートフォンで操作できるWi-Fi内蔵のLED電球「LIFX」

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LIFX: The Light Bulb Reinvented
調達金額:$11,314,542(約1億3,400万円)Kickstater
https://www.kickstarter.com/projects/limemouse/lifx-the-light-bulb-reinvented

スマートフォンで「オン・オフ」「明るさ調整」「色調整」がリモート操作できる、Wi-Fi内蔵のLED電球「LIFX」。一見目新しさに欠けるかと思いきや、動画を観るとその素晴らしさに気付かされます。明るさ・色の調整を簡単に操作することで、カフェやバー、クラブなどの雰囲気も様変わり!家庭にあっても面白いですが、場所によってはかなりの効果を発揮しそうな製品です。

■ギフト

・[$69] 製品が、1つ手に入る。(数量限定)
・[$99] 製品が、早く安く2つ手に入る。(数量限定)
・[$119] 製品が、2つ手に入る。(数量限定)
・[$196] 製品が、4つ手に入る。(数量限定)
・[$490] 製品が、10個手に入る。(数量限定)

ポイント

製品が電球ということもあり、1つだけではあまり意味がありません。そのためギフトには「まとめ買い」の設定がされています。製品1つ辺りの価格が安くなる(4個以上は同じ)のも魅力的ですね。目標金額10万ドルに対して、最終的には113万ドルもの支援が集まりました。

1日2時間睡眠で充分な睡眠が得られるアイマスク「NeuroOn」

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NeuroOn: World’s first sleep mask for polyphasic sleep
調達金額:$438,573(約4,500万円)Kickstater
https://www.kickstarter.com/projects/intelclinic/neuroon-worlds-first-sleep-mask-for-polyphasic-sle

スマートフォンと連携し睡眠をコントロールし、1日2時間の睡眠で快適な生活が送れるというハイテクアイマスク「NeuroOn」。まさに次世代のテクノロジーが凝縮した製品です。

■ギフト

・[$40] NeuroOn オリジナルTシャツ
・[$70] 快適な枕
・[$100] NeuroOn開発者との意見交換会に参加できる。
・[$250] 製品が、1つ手に入る。
・[$375] 自分専用のオリジナルデザインの製品が、1つ手に入る。

ポイント

面白いのが、高額支援者にはオリジナルデザインをギフトに設定しているという点でしょう。この製品に惚れ込んだ支援者にとっては、最高のギフトとなります。また、製品ギフトまでの支援には躊躇するというユーザーにも、「快適な枕」という選択肢を与えているところが素晴らしいです。今までご紹介した中では一番集まった支援額は低いものの、それでも目標金額10万ドルをはるかに越える43万ドルが集まりました。

 

まとめ

ガジェット開発プロジェクトの成功事例を、ギフトに注目してご紹介してきました。共通して言えるのは、次の4つのギフト設計。

・早く支援すれば、早く届く。
・早く支援すれば、安く買える。
・まとめ買いすれば、お得に買える。
・自分だけのオリジナル製品を手に入れられる。

 

ガジェット開発の場合、製品自体の魅力が一番重要なので、バリエーション溢れるギフトを用意するのは困難です。ギフトを魅力的にするには、『早い』『安い』など、欲しいと思ってくれたユーザーを支援者にさせるような工夫が必要。あなたの作り出したその製品こそが、支援者にとっては最高のギフトとなるのです。



WRITER この記事を書いた人
北野 啓太郎
WRITTEN BY
北野 啓太郎
音楽系ウェブマガジン編集長を経歴し、現在フリーランスとしてライター、映像編集などを行う。過去の経験を活かし、プロジェクト立案のコツ、成功者へのインタビューをおこなっていきたい。
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