HOW TO
[ 2014.03.27 ]

ベテラン音楽スタジオが教える!音楽制作の手順と費用


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自分の曲をリリースしたいけれど、一体どれくらいの資金を調達しないといけないのか分からない…。

本記事では「あなたはシンガーで、作詞と歌唱は自分で行う」という前提で、音楽制作の手順と掛かる費用を紹介していきます。

取材協力:ZURA from ARUZ STUDIO MUZIQ

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大阪・心斎橋にある音楽スタジオ。
ZURA氏は経歴約20年のスタジオオーナー兼、エンジニア。
リズムトラックの制作、音楽プロデュースも数多く手掛けている。
@ZET_MAN https://twitter.com/ZET_MAN

1.リズムを制作する。

まず、ボーカルを乗せるためのリズム制作を依頼します。

リズム(バンド)

バンドにリズムを依頼する場合、バンドの規模などによって大きく費用は異なります。
作曲費に加えて、録音時の演奏代、スタジオ代が掛かります。

・作曲費:数十万円〜
・演奏代:数万円〜 × バンド人数分
・スタジオ代:3万円〜(1時間 約5,000円。リハーサル含めて5〜6時間分)

リズム(デジタル)

デジタルリズムにする場合は、トラックメーカー(リズムメーカー)に制作を依頼します。
ドラム、ギターなど全てのパートを一人でコンピュータに打ち込んでいくので、トラックメーカー以外に掛かる費用はありません。

・制作費:5万円〜15万円程度

「ギターのみ生演奏にしたい」「コーラスを入れたい」など、デジタル音以外の希望があれば、その分の別途費用は加算されます。

2.ボーカル録音

完成したリズムをもって、スタジオでボーカルの録音を行います。

・スタジオ代(エンジニア代含む):3万円〜(1時間 約5,000円。5〜6時間分)

3.ミックスダウン

録音したボーカル・ドラム・べース・ギターなどのマルチトラック(音)のバランスを調整します。
CD音源に適した2チャンネルステレオか、映画やライブなど臨場感のあるサウンドである5.1チャンネルに落とし込みます。

・スタジオ代(エンジニア代含む):4万円〜 (1時間 約6,000円。7〜8時間分)

4.マスタリング

ミックスダウンを終えた曲の音圧を上げるなど、音量や音質を調整します。
ミックスダウンと同じスタジオで作業を行っている場合もあります。

・スタジオ代(エンジニア代含む):6000円〜 (1時間 約6,000円。1時間分)

*最終的にアルバムとして完成させたい場合は、全ての楽曲が揃った段階で、曲ごとのばらつきを調整するために、再度マスタリングを行います。

ここまでで、ようやく1曲が完成です。

例:1曲制作費

Musicians in recording studio

・リズムトラック制作費…10万円
・録音スタジオ代…3万円
・ミックスダウン…4万円
・マスタリング…6000円

安く抑えた場合でも、1曲あたり20万円近い費用がかかります。
音楽はこだわればいくらでもお金を掛けることができるので、最低額と考えてください。
リズムをバンドにしたい、録音し直したい、音質にこだわりたい…など、やり出すと欲は尽きないものです。
予算に合わせた配分を心がけましょう。

仕上がった曲を届ける相手がクラウドファンディングでの支援者限定であれば、一旦ここで一区切りとなります。
必要に応じて後ほどご紹介するNo.6-7を行ってください。
しかし、本格的な販売を行いたいという方のために、参考として以下の手順も紹介します。

5.著作権管理登録

JASRACなど著作権管理団体へ楽曲の登録を行います。
楽曲の登録方法や、登録楽曲の使用方法など、詳しい情報については各著作権管理団体へお問い合わせください。

・日本音楽著作権協会(JASRAC) http://www.jasrac.or.jp/
・株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC) http://www.japanrights.com/
・株式会社イーライセンス http://www.elicense.co.jp/
・ダイキサウンド株式会社 http://www.daiki-sound.jp/

6.ジャケットなどのデザイン

デジタル配信だとジャケット画像1枚で事が足りますが、CDの場合は、ジャケット・CD盤面・歌詞カードなどのデザインを行う必要があります。
どんなデザイナーに依頼するかで大きく値段が異なるため、こちらも問い合わせてみてください。

・デザイン費:数万円〜数百万円

7.CDプレス

CDプレス、紙まわりの印刷、キャラメル包装など、それらの行程を一括して行う業者があります。
もちろん印刷のみ別の業者に依頼するなど、業者を分けても問題ありません。
その際は、最終的に組み立てを行う業者に紙回りの印刷サイズを確認しておきましょう。

・商品製作費:CD1枚あたり150円前後(プレス代、印刷代すべて含む)

8.デジタル配信

レコチョク、iTunes Storeなどでデジタル配信を行う場合は、ディストリビューターとばれる流通業者に委託します。
流通業者への分配率は販売単価の50%など、契約によって異なります。

9.CD流通

こちらもディストリビューターとばれる流通業者に委託します。
流通業者はTower Records、TSUTAYAなど全国大小のCDショップに流通網を持っているので、一度により多く販売することが出来ます。
卸価格や返品の扱い方法などは、それぞれ作品ごとに契約します。

流通経路を確保しよう!

Business Handshake
流通業者との取引や著作権の登録に関しては、業者との口座を開設する、著作権管理団体の会員になるなど、様々な契約が必要になります。
これまでこういった経験がない方は、音楽スタジオや既存の音楽レーベルに代行や紹介を相談するのもひとつの手です。

10.宣伝

ディストリビューターが行ってくれる場合もありますが、自分たちでもチラシ、ポスター、ネットでの情報発信、イベント会場での物販など、できる限りの宣伝活動を行いましょう。

最後に

クラウドファンディングのギフトの例として、「完成した楽曲を届ける」というものはもちろんのこと、「サイン入りグッズ」や「ライブのチケット」、さらには「歌詞の一部をあなたの名前に変えて歌う世界に一枚だけのスペシャルCD」といった様々なアイデアが考えられます。

あなたらしい素敵なギフトとともに、素晴らしい曲のリリースを、クラウドファンディングを活用して実現してみてはいかがでしょうか?



WRITER この記事を書いた人
北野 啓太郎
WRITTEN BY
北野 啓太郎
音楽系ウェブマガジン編集長を経歴し、現在フリーランスとしてライター、映像編集などを行う。過去の経験を活かし、プロジェクト立案のコツ、成功者へのインタビューをおこなっていきたい。
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