COLUMN
[ 2014.04.04 ]

クラウドファンディングで救われる命の感動エピソード4つ


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クラウドファンディングは医療を変える。
いえ、すでに医療はクラウドファンディングで変革しつつあります。
病気の治療だけでなく、予防や、さらには健康になるための製品・サービスが、つぎつぎと企画され、実現しているのです。

一方、日本はまだクラウドファンディングの認知度が低いお国柄。
そこで今回は、医療とクラウドファンディングとが結びついたことで、人の命を救い、健康を守るエピソードを4つ、ご紹介します。

これさえ知っておけば、いかに医療とクラウドファンディングの相性がよく、世界中で人びとの役に立っているかがわかるはず。
いつかあなたも医療を変えるプレーヤーになるために、この機会にぜひ、チェックしておきましょう。

クラウドファンディングにしかできない命の救い方

close-up portrait of a beautiful sleeping baby on white
4歳のマヤはニューヨークに住む女の子。
彼女は生まれつき話すことができず、耳が聞こえない可能性もありました。
これは極めて稀な病気による症状で、医療費が高額な米国では治療が難しいものです。

そんな彼女を治療したのはレア・ゲノミクス研究所でした。
若手の研究者や科学者が設立した団体であり、難病の原因となる遺伝子を特定し、その治療法を研究するために、クラウドファンディングを利用しています。

研究所がマヤの支援を募集したところ、数時間で3500ドルが集まり、エール大学による治療がはじまることに。
さらに、集まった資金による研究で、病気の原因遺伝子も判明。
今後はよりたくさんの患者を救うことになるでしょう。

あまりにも稀であるために研究が進まない「難病」は世界に7000ほどあり、約3億5000万人を苦しめていると言われています。
このような研究は営利目的の企業にとっては手を出しづらい分野であり、クラウドファンディングが唯一の打開策となることも珍しくないのです。

世界中から集まった約80万ドル(8000万円)の思いやり

Runners at a Marathon
3人が死亡、282人が負傷という、痛ましい爆弾テロ事件が発生したのは、2013年4月の第117回ボストンマラソン競技中のこと。
このうち、足を切断するなどの重傷を負ったのが、セレステとシドニーという2人の女性でした。

全米の注目を集めたこの事件では、すぐにクラウドファンディングによる2人へのお見舞いプロジェクトが立ち上がり、初日でなんと約20万ドル、現在までに世界から約80万ドルの寄付が集まっています。

2人が回復する様子は日記としてシェアされていますが、そこに悲壮感はなく、思わず微笑んでしまうような写真も。
助け合いが文化として息づく海外の様子を見れば、決してそれがハードルの高いものではないことがわかるでしょう。

ひとりひとりの小さな力がやがて人類の健康を守る

Stem Cell Culture in a Laboratory
iPS細胞といえば京都大学の山中伸弥教授。
2012年のノーベル医学・生理学賞受賞は記憶に新しいところですが、このiPS細胞の技術を医療に応用するための『京都大学iPS細胞研究基金』というプロジェクトを知っていますか?

そもそもiPS細胞が期待されているのは、これまで治療法のなかった難病の唯一の治療法になるから。
難病に苦しむ患者に一日も早くこの技術を届けるため、山中教授が活用しているのが、じつはクラウドファンディングなのです。

JustGiving Japanのこちらのプロジェクトは、開始から2年が経過し、目標金額の2倍以上、約2000万円の寄付が寄せられました。
ひとりひとりが人類全体の健康に貢献できる、それもクラウドファンディングの魅力のひとつです。

クラウドファンディングが実現する夢にまで見た未来

Psychophysiological measurements
なにかを思い浮かべただけで物を動かし、人にイメージを伝える。
この夢のような技術はブレイン・コンピュータ・インターフェイス(BCI)と呼ばれますが、脳波を利用したBCIはすでに医療分野で実用化されています。

BCIによって、麻痺のある患者とのコミュニケーションや、四肢を失った患者でも自由に扱える義肢が実現したのです。
しかし、機材が高価で規格が統一されていないため、一般化にはほど遠いのが現状でした。

そこで登場したのが『OpenBCI』プロジェクトです。
規格を統一して、低コストで誰でもBCI開発ができるプラットフォーム、そんな目的に最適なのはやはりクラウドファンディングでした。
目標を上回る資金を集め、開発が進んでいます。

いかがでしたか?
海外を中心に発展している医療とクラウドファンディングのコラボレーションには、これまでの医療の諸問題を簡単に打ち破る大きな力があることがわかります。

山中教授の例はあるものの、日本ではまだプロジェクトの数が少ないのが現状。
実現したいアイディアがある人、その支援をしたい人は、ぜひこの機会にクラウドファンディングに参加して、医療の変革期を体験してはいかがでしょうか。

参考

Crowdfunded Searches for Medical Miracles – Businessweek
山中教授、ノーベル賞受賞!応援ありがとうございます! – JustGivingJapan
3D-printed EEG headset from OpenBCI is customizable and open-source – gizmag



WRITER この記事を書いた人
朽木 誠一郎
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朽木 誠一郎
医学部を卒業したのにメディアの編集をしています。個人としてライター活動も継続中。
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