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[ 2014.06.26 ]

【後編】鎌倉市がクラウドファンディングを活用!「かまくら想いプロジェクト」とは


鎌倉ファン100名が、クラウドファンディングで支援!

『行政×クラウドファンディング』という新たな分野での取り組みを行った鎌倉市が、寄付文化の創造に最も貢献した団体・個人をたたえる「ジャストギビング アワード2014」を受賞しました。受賞式の様子・プロジェクトの概要をご紹介した前編に引き続き、後編では表彰後に行なった独占インタビューをお届けします。

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行政×クラウドファンディングへの新たな一歩

鎌倉市 市民活動部観光商工課 齋藤和徳課長

「かまくらい想い」プロジェクトを管轄していた、鎌倉市市民活動部観光商工課 課長・齋藤和徳(さいとうかずのり)さんにお話を伺いました。

ShootingStarブログ編集部(以下、編集部):JustGiving「かまくら想い」プロジェクトのコメント欄には、支援者の『鎌倉愛』溢れるコメントが沢山寄せられていましたね!鎌倉市とクラウドファンディングの相性について、実際はどう感じられましたか。

鎌倉市 市民活動部観光商工課 齋藤和徳課長(以下、齋藤課長):一口1万円と決して安くない金額ですので、実際に寄付して頂けるのかという不安はありました。しかし、結果的にはあれよあれよと3週間で集まり、その事に驚かされました。

編集部:鎌倉市では、地元のお祭りで寄付をするなど、そもそも寄付に対して馴染みがあるのでしょうか。

齋藤課長:例えば、観光イベントなどでは協賛金を集めるのですが、大抵は企業や地域の事業者、商店街の皆さんとかからの協賛だと思います。JustGivingさんが進めている寄付文化というのは、まだまだこれからだと思います。

編集部:クラウドファンディング成功の秘訣は何でしたか。

齋藤課長:鎌倉市の魅力のひとつに緑豊かな山がありますが、その維持管理には非常に沢山のお金が掛かっています。随分昔からその為の寄付を募っているのですが、なかなか集めるのは難しいですね。クラウドファンディングは非常に手軽で、鎌倉に来て募金箱にお金を入れなくても良いし、自宅で出来るし、24時間出来る。今回の場合は「名前が鎌倉に残りますよ!」というギフトが、モチベーションにもなったのだと思います。


新しいコミュニケーションツールも活用!

編集部:新しいことを取り入れながら、文化を継承発展してゆく。鎌倉市の松尾崇市長が信条として掲げる「温故知新」にも通ずるものを感じます。

齋藤課長:そうですね。市長には「新しいコミュニケーションツールはうまく活用しよう」という考えがあると思います。

編集部:松尾崇市長はインターネットを広く活用し、情報の発信、共有、そして市民とのコミュニケーションを大切にしているような印象を受けます。鎌倉市では、最も情報が伝わるメディアは何だと考えていますか。

齋藤課長:市民の方にインターネットと無作為抽出の郵便で調査を行なっていて、その中に「市の情報は何で知りますか?」といった項目があるのですが、調査結果とみるとやはりまだ印刷物が多いです。

編集部:印刷物というと?

齋藤課長:市の広報紙ですね。全戸配布をおこなっていて、印刷からポスティングまで全てを含めるとかなりお金が掛かっています。インターネットの比ではありません。インターネットの場合は、最初にシステムさえつくってしまえば、あとはほとんどお金が掛からないじゃないですか。そうすると「広報の費用対効果はどうなの?」となる訳ですが、現状広報紙は重要な媒体のひとつです。

編集部:なるほど。インターネットを活用した新しい取り組みには力を入れつつも、やはりメインは印刷物というのが現状なんですね。

#インターネットでの広報活用事例


鎌倉市はPRよりお客様満足度に重点を置く

編集部:観光事業の主な活動を教えてください。

齋藤課長:一般的に観光振興と言ったら「お客さんをいかに呼ぶか」ですよね。いわゆるプロモーションです。それこそ広告打ったりするでしょうし、PRのためにお金をどんどん掛ける。しかし鎌倉市の場合は、テレビ、ラジオ、雑誌といったメディアが頻繁に鎌倉特集を行なってくれているおかげで、それは必要ないのです。むしろ鎌倉に来て頂くお客さんに少しでもご不便無いよう、そして満足して帰って頂けるよう取り組んでいます。そこが他の都市とは随分違うと思いますね。

編集部:観光客に対して取り組んでいる具体的な取り組みとは?

齋藤課長:お客さんに満足して頂く為の、トイレの整備だとか、パンフレットやマップなんかもそうですね。

編集部:税金でまかなう案件と、クラウドファンディングで資金調達する案件の違いはありますか。

齋藤課長:これからもクラウドファンディング含め、税収以外の収入確保に取り組んでいくと思いますが、「何を税金で、何を税金以外で」というのは基本的にはありません。いかに税収以外の収入を得られるかが大切で、「どうやったら皆さんに共感して頂けるか」が大事だと思います。


鎌倉に関わったよ!という想いがリピーターにつながる

編集部:クラウドファンディングは、PR効果もあると言われていますが、その辺りはいかがでしょう?

齋藤課長:直接的なプロモーション効果というよりも、寄付して頂いた方は、きっと鎌倉の事をずっと想ってくださると思います。最初は銘板を確認しに行くことからだと思いますが、仮に銘板が無くても「自分が鎌倉に関わったよ!」というのがあれば、その気持ちはずっと続くと思うので、鎌倉には何度も来て頂けると思います。

編集部:新規というよりリピーターですね。

齋藤課長:そうですね。コアなリピーターづくりに繋がると思います。

編集部:最後に「かまくら想いプロジェクト」の支援者の皆様へ、改めてメッセージをお願いします。

齋藤課長:鎌倉を愛する気持ち、鎌倉をもっと良くしたいと想う皆さんの願いを、非常にありがたく、そして我々としてはそれを重く受け止めて、鎌倉のまちづくりを今後もやっていきたいと思います。本当にありがとうございました!

鎌倉市 市民活動部観光商工課 齋藤和徳課長


まとめ

観光に強い鎌倉市は、観光というジャンルでクラウドファンディングを成功させました。税収以外での収入確保に取り組む姿勢が印象的でしたね。
『行政×クラウドファンディング』という新たな分野での取り組みでジャストギビングアワードを受賞した鎌倉市ですが、今後は鎌倉市をモデルケースとして他の市町村での活用も目立ってくるのではないでしょうか。製造業、農業、漁業、林業など、地域それぞれの特徴を活かせば、独自のプロジェクトを立案出来そうです。

今後もShootingStarは、新しい風を吹かせる行政×クラウドファンディングの動きに注目していきます。



WRITER この記事を書いた人
北野 啓太郎
WRITTEN BY
北野 啓太郎
音楽系ウェブマガジン編集長を経歴し、現在フリーランスとしてライター、映像編集などを行う。過去の経験を活かし、プロジェクト立案のコツ、成功者へのインタビューをおこなっていきたい。
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